「中間選挙の年は株価が荒れる」——そんな話を耳にして、自分のNISA資産は大丈夫だろうかと不安に感じたことはありませんか。2026年11月3日、米国では中間選挙の投開票が予定されています。この記事では、信頼できる情報源で確認できる直近7回分(1998年〜2022年)の中間選挙年のデータを検証し、2026年後半にどう向き合えばよいかを一緒に整理していきます。
SEねぐです。フリーランスSE3年目。過去のデータを知っておくことは、相場が荒れたときに感情的にならず、淡々と積立を続けるための備えになります。あくまで過去の傾向であり将来を保証するものではありませんが、データに基づいた心構えとしてお役立ていただければと思います。

- そもそも中間選挙とは何か、どんな変化が起きるのか
- 中間選挙年の株価アノマリー、直近7回(1998〜2022年)のデータ
- 7回それぞれの個別の値動き
- 選挙の約1ヶ月前から選挙後半年にかけて、株価にどんな傾向があるか
- 2026年前半のイラン情勢による下落と、中間選挙だけが要因ではないこと
- このデータを踏まえて自分がどう向き合っているか
そもそも中間選挙とは何か
中間選挙(Midterm Election)とは、アメリカ大統領の任期4年のちょうど中間にあたる2年目に行われる、連邦議会の選挙です。大統領選挙とは異なり、大統領そのものが選ばれるわけではありません。
対象になるのは下院の全議席と、上院の議席の約3分の1です。この選挙の結果によって、議会における与党・野党の勢力バランスが変わることがあります。大統領の所属政党が上下両院で過半数を維持できるか、それとも一部または両方を失うかによって、その後2年間の政策の進めやすさが大きく変わってきます。
市場が中間選挙を意識する理由は、この議会構成の変化が政策の不透明感につながりやすいためです。与党が議会の主導権を失うと、大統領が掲げる政策が議会で成立しにくくなり、今後の政策方向性が読みにくくなります。市場は明確な悪材料そのものよりも、こうした「先が読めない状態」を嫌う傾向があるとされています。
周期としては、大統領選挙が4年に一度行われるのに対し、中間選挙はその中間の年、つまり4年周期の中の「2年目」に必ず巡ってきます。投開票日は「11月の第1月曜日の翌火曜日」と定められており、2026年は11月3日(火)がその日にあたります。
中間選挙年の株価アノマリー、直近7回のデータ
ここからは客観的なデータを見ていきます。米国の金融メディアThe Motley Fool(1993年設立、編集部によるファクトチェック体制のある投資メディア)が公開しているS&P500の年間トータルリターン(配当再投資込み)データをもとに、テキストで個別の数値まで確認できる1995年以降の期間に含まれる中間選挙年、直近7回分(1998〜2022年)について、その年自体のリターンと、翌年のリターンを一覧にまとめました。
| 中間選挙年 | その年のリターン | 翌年のリターン |
|---|---|---|
| 1998年 | +28.58% | +21.04%(1999年) |
| 2002年 | -22.10% | +28.68%(2003年) |
| 2006年 | +15.79% | +5.49%(2007年) |
| 2010年 | +15.06% | +2.11%(2011年) |
| 2014年 | +13.69% | +1.38%(2015年) |
| 2018年 | -4.38% | +31.49%(2019年) |
| 2022年 | -18.11% | +26.29%(2023年) |
| 平均 | +4.08% | +16.64% |
※出典:The Motley Fool「S&P 500 Index Fund Average Annual Return Rate」(S&P500年間トータルリターン、配当再投資込み)。過去の実績であり、将来の運用成果を保証するものではありません。
7回のデータを見ると、中間選挙の年自体は7回中3回(約43%)がマイナスで終わっています。2002年の-22.10%、2022年の-18.11%のように、大きく下落した年も見られます。
この43%という数字がどれくらい高いのか、全体の傾向と比べてみます。同じThe Motley Foolのデータで1995年から2025年までの31年間を見ると、マイナスで終えた年は6回(マイナス確率は約19.4%)でした。つまり中間選挙年がマイナスになる確率(43%)は、通常の年(19.4%)と比べて明らかに高く、中間選挙年は他の年より2倍以上マイナスになりやすいと言えそうです。
一方で注目すべきは翌年のリターンです。7回すべてでプラスに終えており、平均は+16.64%となっています。サンプル数は7回とそれほど多くないため「必ずそうなる」と断言はできませんが、直近28年間で見る限り、中間選挙の翌年は好調になりやすい傾向があると言えそうです。
7回それぞれの値動きを詳しく見る
全体の傾向だけでなく、それぞれの中間選挙年に何が起きていたのかも見てみます。
1998年は+28.58%と好調で、翌1999年も+21.04%とプラスを維持しました。
2002年はその年自体が-22.10%という大きな下落を記録しました。ITバブル崩壊後の景気後退局面と重なった年です。それでも翌2003年には+28.68%まで回復しています。
2006年は+15.79%とプラスで終え、翌2007年も+5.49%とプラスを維持しました。
2010年はリーマンショック後の回復局面にあたる年で、+15.06%とプラスでしたが、翌2011年は+2.11%と伸びはやや控えめでした。
2014年は+13.69%とプラスでしたが、翌2015年は+1.38%とほぼ横ばいに近い結果でした。中間選挙の翌年が必ずしも大きく上昇するとは限らない例の一つです。
2018年は-4.38%とマイナスで終わりましたが、翌2019年には+31.49%と大きく回復しています。
2022年は世界的なインフレ・利上げ局面と重なり-18.11%の下落となりましたが、翌2023年は+26.29%のリターンとなっています。
こうして見ると、中間選挙年自体の騰落や翌年の回復幅は年によって様々で、2011年・2015年のように翌年の伸びが控えめだったケースもあります。それでも7回とも翌年はプラスで終えており、傾向としては翌年に上昇しやすいと言えそうです。
選挙の前後で株価はどう動くのか
年単位のデータだけでなく、もう少し細かい時期の傾向も気になったので調べてみました。ここまでは1998〜2022年の直近7回分のデータで見てきましたが、月単位の細かい値動きの分析については、世界最大級の資産運用会社BlackRock社が2026年6月に公開した資料(1970年以降、14回分のデータに基づく、より長期の集計)を参考にしています。中間選挙前後の値動きには、次のようなパターンが見られるとされています。
- 選挙結果の見通しが世論調査などで固まり始める、投開票の約1ヶ月前(22営業日前)あたりから株価が上昇に転じやすい
- 選挙後6ヶ月間の平均リターンは+14.1%
- 与党が上下両院の一方でも過半数を失った場合の6ヶ月リターンは+10.4%、与党が維持または議会がねじれのままだった場合は+16.1%
- 中間選挙年の平均リターンは+7.5%で、大統領選挙年(+12.1%)や非選挙の奇数年(+14.9%)と比べても低い部類に入る
※出典:BlackRock「What history says about 2026 midterm elections and market performance」(2026年6月11日)。過去の実績であり、将来の運用成果を保証するものではありません。
不透明感が薄れるにつれて株価が上向きやすいという傾向自体は、感覚的にも納得のいくものです。ただ、正直に言うと、私はこの「選挙1ヶ月前から仕込む」というタイミングを狙って行動する予定はありません。本業のエンジニア案件をこなしながら、こうした細かいタイミングを逐一追いかけて売買のタイミングを計るだけの時間的余裕がないというのが実際のところです。
むしろ興味深かったのは、BlackRock社の資料にあった別のデータです。自分の支持政党が政権を失うたびに保有資産を現金化していた投資家は、保有し続けた投資家と比べて最終的なリターンが大きく劣っていたという試算が紹介されていました。政治的な思惑で売買のタイミングを計ろうとすること自体が、長期的にはむしろマイナスに働きやすいという内容です。
これは、私がイラン情勢の下落局面で何もしなかった判断や、トランプ大統領の発言一つひとつに反応しないという方針とも重なる話です。中間選挙前後の値動きにパターンがあるらしいと知っていても、それを狙って売買タイミングを計るのではなく、毎月同じ金額を淡々と積み立て続ける。フリーランスとして本業に集中しながら資産形成をするなら、この方が現実的で再現性のあるやり方だと感じています。
2026年前半はイラン情勢の影響も大きかった
ここまで中間選挙年のアノマリーについて見てきましたが、2026年の相場を語る上で忘れてはいけないのが、年初からのイラン情勢です。2026年前半は中間選挙の影響が本格化する時期の前から、地政学リスクによる下落を経験しています。
私自身のNISA資産で見ると、イラン情勢による下落は月間で6%程度でした。正直なところ、戦争が始まったという大きなニュースの割には、想定していたほど大きくは下がらなかったという印象です。その後は比較的早く持ち直したものの、その後数ヶ月間は大きく上がることもなく、横ばいに近い状態が続きました。
この経験からもわかる通り、2026年の株価変動は中間選挙のアノマリーだけで説明できるものではありません。地政学リスク、金融政策、インフレ動向など、複数の要因が複雑に絡み合って相場を動かしています。中間選挙年のアノマリーは一つの参考材料として捉えつつ、それだけに気を取られすぎないことが大切だと感じています。
2026年6月時点の実績や、その月に影響したニュースについては、こちらの記事で詳しく公開しています。
このデータを踏まえて自分がどう向き合っているか
イラン情勢による下落局面でも、私は特に何もしませんでした。過去の実績から見ても、下落局面はいずれ回復するという安心感がありましたし、長期での積立投資を前提にしているため、今回の下落も長い目で見れば通過点の一つに過ぎないと考えていたためです。
今回あらためて感じたのは、市場が短期間で相場の変動に慣れてきているのではないかということです。トランプ大統領による発言や政策変更は、就任からたった1年前の時点では大きな相場変動要因として市場に受け止められていました。しかし今回のイラン情勢では、戦争という大きな出来事があったにもかかわらず、月間6%程度の下落にとどまり、比較的早く持ち直しました。市場がこうした出来事にある程度慣れてきた結果ではないかと感じています。
この経験から学んだのは、大統領の発言や行動一つひとつに反応して自分の投資行動を変えないことの大切さです。今回のイラン情勢のような出来事が起きても、一喜一憂して積立を止めたり売却したりするのではなく、淡々と続けることが結果的に正しい選択になりやすいと、あらためて実感しています。
2026年後半に向けては、今回まとめた中間選挙年のアノマリーを踏まえて、コツコツと積立を継続することで、中間選挙後の回復傾向に自然と乗れることを期待しています。直近28年間で見る限り7回中7回、翌年にプラスで回復しているという傾向を知っているだけで、仮に今後相場が荒れる場面があっても、落ち着いて向き合えるのではないかと考えています。
過去の暴落局面でどう乗り越えてきたかについては、こちらの記事でも詳しく公開しています。
NISAを長く続けるための考え方については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
信頼できるデータで確認できる直近7回(1998〜2022年)の中間選挙年のうち、その年自体がマイナスで終わったのは3回(約43%)で、通常の年(約19%)と比べて明らかにマイナスになりやすい傾向があります。一方、翌年は7回すべてがプラスで終えており、中間選挙の翌年は好調になりやすい傾向が見られます。ただしサンプル数は7回と多くはなく、「必ずこうなる」と言い切れるものではありません。2026年の相場はイラン情勢など中間選挙以外の要因も大きく影響しており、アノマリーだけで将来を予測することはできません。過去のデータを知っておくことは、相場が荒れたときに慌てず淡々と積立を続けるための心の備えになります。中間選挙後の回復傾向を一つの参考にしつつ、目先の値動きに一喜一憂せず、長期の積立を継続していきたいと考えています。
※本記事は各種公開データと個人の体験談をもとに構成しています。過去の傾向は将来の運用成果を保証するものではなく、投資には元本割れのリスクがあります。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。


