フリーランスエンジニアになると、「どこで働くか」を自分で決められるようになります。一見すると自由でうらやましく見えますが、実際にやってみると「正解がない」ことに最初は戸惑いました。在宅なら自由に動けますが孤独や案件との距離感が気になりますし、客先常駐ならチームに馴染みやすい一方で時間の融通は利きにくくなります。
SEねぐです。フリーランスSE3年目。客先常駐4割・自宅6割の比率で3年間働く場所を使い分けてきました。この記事では、なぜこの比率に落ち着いたのか、完全出社を試して合わなかった理由も含めて正直にお伝えします。

- 客先常駐・自宅、それぞれの使い分け比率と考え方
- 会社貸与PCのセキュリティ制約とコワーキングスペースを使わない理由
- 自宅作業で育児や通院にどう時間を活用しているか
- 完全出社を試して合わなかった理由
フリーランスエンジニアの「働く場所」に正解はない
結論から言うと、私は客先常駐4割・自宅6割の比率で働いています。「フリーランスだから完全在宅」「常駐案件だから毎日出社」という単純な二択ではなく、案件の性質や時期に応じて使い分けるのが一番うまくいっています。
働く場所に唯一の正解はなく、案件の信頼関係の状態・自分の生活スタイル・セキュリティ面の制約という3つの軸で都度判断するのが、3年間試行錯誤した末の結論です。
客先常駐を選ぶ理由・メリット
これまで参画してきた案件は、フルリモートよりも「一部リモート可能」という条件のものが多い印象です。完全リモートの案件は探せばあるものの、実際に多いのはハイブリッド型でした。
案件参画当初は、できるだけ出社するようにしています。理由は単純で、まだ誰がどんな性格なのか、チームの空気感もわからない状態だからです。お客さんの中には、ボディランゲージを交えて説明したり、実際の画面を横に見ながら伝えたりする方がやりやすいという方も多く、最初の数か月はフル出社で信頼関係を作ることを優先しています。
現場に慣れてきたら、少しずつリモートの比率を増やしていくのが私のパターンです。最初から「リモート希望です」と押し通すよりも、まず対面で信頼を作ってから働き方の融通を利かせてもらう方が、結果的にスムーズに進みます。
これは在宅だけでフリーランス生活を組み立てようとすると見落としがちなポイントだと感じています。フリーランスというと「在宅で自由に働く」というイメージが先行しがちですが、実際の案件現場では対面でのコミュニケーションを重視するクライアントの方が多いというのが正直な感触です。特に開発の初期フェーズや要件のすり合わせは、画面共有だけでは伝わりにくいニュアンスがあり、横に座って説明を受けた方が圧倒的に理解が早いです。最初の出社を惜しんでリモートを優先すると、かえって信頼関係の構築に時間がかかり、結果的に働きづらくなるケースもあります。
自宅作業を中心にしている理由
現場に慣れた後は自宅作業の比率を増やしています。一番の理由は、子どもとの時間を確保しやすいことです。
子どもが発熱したときは、妻が付きっきりで看病することになり、家のことに手が回らなくなります。そんなとき、自宅で仕事をしていれば洗濯や食事の準備を手伝うことができますし、妻が少し子どものそばを離れたいときに、自分が一時的に子どもの面倒を見ることもできます。完全出社だとこうした柔軟な対応は難しかったはずです。
育児以外にも、自宅作業ならではの時間の使い方があります。通勤がない分、朝の時間や昼休みを使って散歩やランニングをするようにしています。また、自宅近くの病院に通っているので、定時後すぐに行けば診療時間内に間に合います。客先常駐で帰りが遅くなる日は難しい動きですが、在宅であれば無理なくできています。
こうした積み重ねは、一つひとつは小さなことですが、毎日の生活の質に確実に影響しています。通勤時間がそのまま運動の時間に変わるだけでも、体調管理の面で大きな違いがありますし、子どもの体調が悪い日にすぐ動けるという安心感は、会社員時代には得られなかったものです。フリーランスになった当初は「収入が増えるかどうか」ばかり気にしていましたが、3年経った今は、こうした時間の融通こそが独立してよかったと感じる部分の一つになっています。
コワーキングスペースを"あえて"使わない理由(セキュリティの観点)
働く場所の選択肢としてコワーキングスペースやカフェも候補に挙がりますが、業務用の会社貸与PCでは使わないようにしています。
理由は画面ののぞき見や置き引きといったリスクです。会社のルールに明記されているかまでは細かく確認していませんが、リスクのあることはそもそもやらないようにする、というのを自分の中の基準にしています。フリーランスは信用第一の仕事なので、案件先の情報を扱う端末は慎重に扱うべきだと考えています。
一方で、副業のブログ運営やホームページ制作など、個人用PCを使う作業の場合はカフェやコワーキングスペースを利用しています。業務PCと副業用PCを明確に分けることで、セキュリティと作業環境の自由度を両立させている形です。
完全出社を試して合わなかった理由
過去に完全出社に近い働き方を試したこともありますが、今は合わないと感じています。一番の理由は子どもとの時間です。完全出社だと拘束時間が長くなり、できる限り子どもの面倒を見たいという希望と相性が悪くなります。
会社員時代もリモートワーク自体は可能でしたが、完全出社と比べて一番変わったのは「空き時間を有効活用できることによるストレスの減少」です。完全出社だと平日に私用を挟むのが難しく、銀行に行く、ちょっとした用事を済ませるといったことが土日に集中してしまいます。在宅であれば、昼休みに銀行へ行くといったことも無理なくできるようになりました。
こうした小さな積み重ねが、日々のストレスの差として表れていると感じています。完全出社の時期は、平日にやるべき私用がすべて土日に集中してしまい、結果的に休日が「休む日」ではなく「平日にできなかったことを片付ける日」になっていました。在宅作業を中心にしてからは、平日のうちに片付けられることが増え、土日は本当に休める時間として使えるようになりました。
働き方が変わったことで生活全体にどんな影響があったかは、こちらの記事でさらに詳しく公開しています。
働く場所に唯一の正解はありません。私の場合は客先常駐4割・自宅6割という比率に落ち着きましたが、これは案件の信頼関係の状態、子どもとの時間、セキュリティ面の制約を踏まえた上での判断です。フリーランスの自由度は「好きな場所で働ける」ことではなく、「状況に応じて働く場所を選べる」ことにあると、3年間の試行錯誤を経てあらためて感じています。
具体的な一日の過ごし方やスケジュールについては、こちらの記事でも公開しています。あわせてご覧ください。
※本記事は個人の体験談をもとにしています。働き方や案件の条件は契約先によって異なります。

